hogeとはワイルドカードのようなものです。日々起こった、さまざまなこと −すなわちワイルドカード− を取り上げて日記を書く、という意味で名付けたのかというとそうでもありません。適当に決めたらこんな理由が浮かんできました。
04/16/2012 ふむ [長年日記]
■ [メモ][Linux] veth
通信できる Ether な仮想デバイスを Linux に生やすの巻.
- 用意するもの:
-
- 2.6.24 以降のカーネルを CONFIG_VETH=y でビルド
- type veth をサポートする iproute2 (具体的にどのバージョンからサポートしたのかは知らない.最近のは大体 OK)
以下を実行して試す.
// 足を生やす # ip link add type veth // 終端の 2 つの仮想デバイスができる # ip link show veth0 8: veth0: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN qlen 1000 link/ether a6:50:34:b1:4e:a9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff # ip link show veth1 9: veth1: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN qlen 1000 link/ether 06:91:65:3a:72:0d brd ff:ff:ff:ff:ff:ff // データを流してみる # ifconfig veth0 10.0.0.1 netmask 255.255.255.0 # ping 10.0.0.2 // 別の端末で対向の veth1 を観察 # ifconfig veth1 up # tcpdump -i veth1 22:41:29.996627 arp who-has 10.0.0.2 tell 10.0.0.1 ...
とりあえず ARP は流れるけど,10.0.0.2 なんてアドレスはないので当然 ping は DestUnreach.
じゃあ veth1 にアドレスを付ければ反応するかというとそうでもない.ARP に応答しないので,どっかに繋げてやるよろし.
04/22/2012 ふむ [長年日記]
■ [日記][Linux] KVM 上の Guest として Windows8 Consumer Preview をインストール
先日ようやく重い腰を上げて自宅デスクトップを KVM Ready にした (ハードはサポートしてたけど面倒でやってなかった). とりあえず Guest Linux はそれっぽく動いたので,今度は Windows を入れてみる.
Windows8 は標準では virtio をサポートしていないので,以下のように cdrom ドライブが 2 台あることにして起動すると楽.
// Fedora Project から Windows 用 virtio ドライバ ISO をダウンロード // Windows7 用ドライバがそのまま使える $ wget http://alt.fedoraproject.org/pub/alt/virtio-win/latest/images/bin/virtio-win-0.1-22.iso // インストール先ディスクイメージ作成 $ sudo qemu-img create -f qcow2 /path/to/windows8.img 40G // サウンドをチューニング $ export QEMU_AUDIO_DRV=sdl $ export QEMU_SDL_SAMPLES=8 // cdrom ドライブを 2 台積んでいることにして起動 $ sudo qemu-kvm \ -name "Windows8" \ -cpu host \ -smp 2 \ -m 2048 \ -vga cirrus \ -soundhw all \ -usb \ -usbdevice tablet \ -drive file=/path/to/windows8.img,if=virtio,cache=writeback,media=disk,index=0 \ -drive file=/path/to/Windows8-ConsumerPreview-64bit-Japanese.iso,media=cdrom,index=2 \ -drive file=/path/to/virtio-win-0.1-22.iso,media=cdrom,index=3 \ -net nic,macaddr=54:52:00:xx:yy:zz,model=virtio -net tap,ifname=vnet1,script=no \ -boot d \ -vnc :8 \ -daemonize
ディスクを virtio で起動しているのでインストーラ起動直後はドライブがないと怒られる. ドライバを入れるぜボタンをクリックしてドライバをインストールしてやればドライブが見えるようになる.
ちなみに qcow2 イメージにインストールするのはかなり時間がかかる. インストールしてから思ったのだけれど,dd で raw イメージを作ってインストールした上で改めて qcow2 に convert すれば良かったかも知れない.
てかとりあえず vm をごりごり動かすにはメモリが足りないので足さないと...
追記
スペックが足りないのか何なのか,どうもサウンド関係がブツブツだったりと微妙なのでチューニングを入れた. 下記コマンドでサウンド関係の環境変数のヘルプを見ることができる.
$ qemu-kvm -audio-help
手元環境では下記くらいが最適で,いまいちよく分からないけれど QEMU_SDL_SAMPLES の値が小さい方が安定した. ちなみに alsa を使うとどう設定しても改善しなかった...
QEMU_AUDIO_DRV=sdl QEMU_SDL_SAMPLES=8
てか Guest が Linux の場合はむしろいじらない方が安定していたので,Guest の OS やドライバによって最適な設定が異なる感じか.
追記 2
※不充分な点があったので修正.PID だけでなく全ての TID を指定してやらないと充分な効果は得られないね.
どうしてもサウンドが気になってしょうがないという場合は,以下のように qemu-kvm のスケジューリングポリシと優先度を変更してやると改善する可能性がある.
# chrt -rr -p 90 <qemu-kvm スレッド ID>
スレッド ID を調べるには,例えば以下のような感じで.
$ ls /proc/$(pgrep qemu)/task
ただしこの chrt 操作はゲスト OS が完全に起動した後で行った方が良い.
例えば chrt は nice と同じようにコマンドを引数に取ることでそのコマンドをあるスケジューリングポリシと優先度で起動させることができる. しかしゲスト OS 起動中の qemu-kvm プロセスを上記のような高い優先度で動作させてしまうと,ホスト OS 側の動作に必要なプロセスやスレッドの動作を阻害する可能性が高い. 結果として,ホストがハングアップしてしまったかのような動きを見せることになる (ゲスト起動後に復帰する). ゲスト OS 起動後の qemu-kvm くんはいい具合に寝たり起きたりしてくれるので,ホスト側にもきちんと CPU 時間が回ってくるという寸法.
ただ,ゲスト側が CPU 的に高負荷になるようなことをすると,やっぱりホスト側を阻害する可能性はある. 実施は自己責任で.
ちなみに優先度は以下のような感じで確認できる.
$ ps axo user,pid,ppid,c,stime,tty,time,rtprio,pri,cmd
この rtprio というのが chrt で設定した優先度.
ここで言うスケジューリングポリシとか優先度とかが一体何を示しているのかについては,sched_setscheduler(2) 辺りを見ると良い.