hogeとはワイルドカードのようなものです。日々起こった、さまざまなこと −すなわちワイルドカード− を取り上げて日記を書く、という意味で名付けたのかというとそうでもありません。適当に決めたらこんな理由が浮かんできました。
05/19/2004 ふー [長年日記]
■ [日記] センス
英論文の輪講で発表した後,授業担当の教授に「君はセンスがあるね」というありがたい言葉を頂いた.
が,俺はただ論文に書いてあることを理解しようと努めただけで,センスはこれっぽっちもないと自負しております.現に,たった1セクションの英文を理解するのに何時間も悩んだ.授業中に出た,たった1センテンスの英文理解にも十分以上かかったし,ヒントがなきゃ分からなかっただろう.やっぱ英語ダメすぎ,俺.
英語が苦手だからこそ,英語をそのまま愚直に訳すなんてことはしない.英語苦手な奴が訳なんかしたって,意味のわからん日本語ができあがるだけだ.機械翻訳なりなんなりして大まかに像を掴んで,それから細かい部分をおさえて,「英文」でなく「内容」を理解していく方が英語嫌いにとっては楽だ.言語なんてツールです.偉い人にはそれがわからんのです.内容さえ分かればそれで良いのです.
俺の発表が教授の目によく映ったのだとすれば,それはただ努力の結果,あるいは俺のやり方が教授の求めるやり方により近かっただけだと思う.本質的な俺の論文理解力あるいは英文理解力は,合格点にはほど遠いはずだ.
とぐだぐだ考えていたら「俺って英語もできないし理解力もねーんじゃん」と少し鬱になったので考えるのを放棄した.
いやまあ,誉めてもらったことは素直に嬉しいんだけどね.
あと
発表なんて勢いだ.聴衆を飲み込めれば勝ちだ.少々不備があってもね.
逆に言えば,聴衆を飲み込めるだけの勢いがない発表は誰も聞いてないから不当な評価をされる.内容がいくら良くたってね.
「内容は良いけど発表はイマイチ」な発表は,みんながみんなその人の発表を聞きたくてその場にいる,という特殊な状況でない限り成功しない.しがない一介のヘタレ学生に,そんな状況はそうそう発生しないはずだ.
ぼくも英語そのくらいかかりましたよ。予備校でB5の1ページの予習に最初
6時間くらいかかっていました。時間かけないでできるようになったらそれは
マジックです。ちゃんと時間をかけて理解しようと努めたのが感じられる発表
であるということは、時間をかければ理解できるということが分かっている
(いや、分かってないかもしれないけど、やらない人よりまし)ということで、
それはやっぱりセンスというか「時間をかけることができる才能」なんじゃ
ないでしょうかね。
そういえばぼくも大学2年のとき哲学の授業でアメリカから先生が来ていたので
大学院の授業(というか先生と院生が半々くらい)にもぐったことがあり、毎回
自分はこの授業で1コマ1回は質問しようと決めていたのでがんばっていたので
すが、3か月くらいあった授業の最後のほうである助教授の先生(UCB で直前
まで研究していた)から「きみ、もうちょっと英語勉強しなさいよ」と叱られた
ことがあって、実際大学入ってから1秒も英語勉強していなかったので、はたと
気がついてそれから英語の環境に身を置こうと決意したのでした。(実はそれ
まで英語なんて喋ったことも書いたこともなかったのです。英作文の授業は
予備校でもさぼっていたし……ちゃんと出ればよかったなあ)
いつでも時間かけられるわけじゃないですからねぇ….今週 (って言っても2〜3日ですが) はコレのお陰で他のことあんまりできなかったです,とほほ.
うーむ,語学魔人 usata さん (何だそりゃ) もそうだったんですか….しかし決定的な違いは,僕は英語を嫌がってるというところでしょうねぇ.:(
まああれだけ時間かけられるのも浪人生の間くらいじゃないでしょうか……。現役生じゃあ無理ですね。あと大学生になったらそういうことするモチベーションが下がるし。先日の GentooJP オフでも喋りましたが、若者はみんな浪人するべきだと思っております (^^;